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初夢とは?いつ見る夢のこと?一富士二鷹三茄子の縁起がよい理由も解説

初夢といえば、一富士二鷹三茄子が縁起の良い夢として知られていますが、実はこれ以外にも扇、煙草、座頭という縁起の良いモチーフが江戸時代から語り継がれているのをご存知ですか?
朝日や太陽の夢、ヘビ、太ってしまう夢も実は縁起の良い初夢です。
1年のラッキードを占う初夢、皆さんはどのような初夢が見たいでしょうか。

初夢とはいつ見る夢?

初夢は、新年を迎えてから最初に眠った日に見る夢のことです。
大晦日の0時に年が明けるので、大晦日の夜に見る夢が初夢か、元旦の夜なのか、「一体何日の夜に見る夢が初夢なの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
初夢に明確な定義があるわけではありませんが、一般的には、元旦に眠って1月2日の朝にかけてみる夢を初夢とする意見が多数派のようです。

もしも元日の夜に夢を見なかった場合は、その翌日以降の夢を初夢として解釈する場合もあります。

ちなみに、旧暦で暮らしていた時代には、今の立春(2月3日〜4日ごろ)が元旦にあたります。
旧暦では、立春の前夜に見る夢を初夢としていたようです。
この風習をふまえるならば、大晦日の夜に見た夢が初夢となります。
しかし、夜が明るくなった現代では12月31日に夜更かしをする人も多いため、元日の夜すなわち1月1日〜2日にかけて見る夢を初夢と解釈するようになったと考えられています。

初夢の由来

初夢をさまざまに解釈する風習は、占いに由来しています。
夢占いは、昔の人によって未来を知る方法の一つでした。
その年に初めて見る夢が縁起の良いものなら、1年間を幸せに過ごせると信じ、おまじないをすることもあったようです。
科学が魔術と区別のつかない昔には、初夢の夢占いで吉凶を見ることで、予測できない未来のことを少しでも推しはかろうとしたのかもしれません。

例えば、室町時代には宝船の絵を枕の下に敷くと良い初夢が見られるとされていました。
眠る前に「長き夜の遠の眠りの皆目ざめ、波乗り船の音のよきかな」と3回呪文を唱えてから眠ると、良い初夢が見られると伝えられていたそうです。

そして、悪い夢を見た時は、枕の下に敷いた宝船の絵を川へ流すことで、占いの結果をないものにしようとしていました。

こうした夢占いの起源は中国にあると言われています。
中国では、悪夢を食べてくれるバクの絵を枕の下に敷いて、悪い夢から身を守る風習が古くからあったと伝えられています。

一富士二鷹三茄子は縁起が良い初夢

良い初夢を表す有名な言葉に「一富士二鷹三茄子」があります。
この言葉は江戸時代に普及したと言われ、今なお多くの人に知られる言葉です。

一富士(いちふじ)の意味

富士山は日本一高い山で、昔から立身出世を表し、運気の上昇を意味するモチーフとされてきました。
富士(ふじ)と無事(ぶじ)をかけて、安泰や安全な生活を祈る意味もあります。

また、富士山の下には広大な裾野が広がっているため、「末広がり」、「子孫繁栄」といったモチーフとしても知られています。
さまざまな開運のご利益が見込まれるモチーフであることから、初夢に富士山が出てくるのはたいへん縁起が良いと考えられています。

二鷹(にたか)の意味

食物連鎖の頂点に君臨する鷹は、大空を高く飛ぶことから、自由の象徴と見なされています。飛躍の年になることを暗示する鳥としても知られています。
鷹は強い爪で獲物をがっちりと捉えることからチャンスを掴めるサイン、鷹の読みを「高い」とかけて大きな目標を達成できるサインと見る説もあります。

なお、なぜ2番目なのかという点については、以前2番目に高い山とされていた愛鷹山(足高山/あしたかやま)にかけたものとも言われています。

三茄子(さんなすび)の意味

茄子は、「成す」という言葉にかけて子孫を成す、財を成す暗示とされてきました。
また、昔は茄子が高級な野菜であったため、初夢に出てくるとその人の価値も高まる、実りの多い一年になるとも言われてきました。

なお、「一富士二鷹三茄子」は徳川家康に由来するモチーフだからこそ縁起が良いと解釈する説もあります。
確かに、「一富士二鷹三茄子」の言葉自体が江戸時代に広まったので、家康に関連するモチーフを縁起が良いとするのは自然なことかもしれませんね。

一富士二鷹三茄子には続きがある?

実は、「一富士二鷹三茄子」には続きがあります。
四扇、五煙草、六座頭といって、初夢に出てくると縁起の良い第四位、第五位、第六位も定められています。

四扇(しおうぎ)の意味

四扇は、「しおうぎ」だけでなく「しせん」と読むこともあります。
扇の形状は、手元から先に広がる形をしています。この形状が「末広がり」を彷彿とさせるため、幸福が未来に向かって広がっていく、縁起が良いモチーフとされています。
また、扇はお祭りや舞といった賑やかなシーンで使われる道具なので、その用途からも縁起物と見なされるようになったようです。
お祭りの初夢を見られたら、楽しい気持ちで目覚めることができそうですね。

五煙草(ごたばこ)の意味

江戸時代の煙草は現代とは少し異なり、お祭りや宴会など人々が賑やかに集まって楽しむ場の嗜好品とされていました。
また、現代よりもかなり高価で、徳川家康ゆかりの駿河に煙草の名産地があるなど、価値の高い品物と認識されていました。
このあたりも、一富士二鷹三茄子が家康由来の言葉であるという説に関連するのかもしれません。

さらに、煙草を吸うと煙が天に向かって登っていくことから、その様子を運気の上昇となぞらえて縁起物としていました。

六座頭(ろくざとう)の意味

座頭とは剃髪した盲目の僧侶のことで、琵琶や三味線を演奏する琵琶法師、鍼治療や按摩を行う治療師などがいます。
現代では少し縁遠い人物かもしれませんが、江戸時代の人々の生活には、密接に関わっていた存在です。
剃髪していることから、「毛がない」を「怪我ない」とかけて、家内安全を暗示する縁起の良い登場人物とされています。
今見る初夢に登場することはあまりないかもしれませんが、もしも初夢に出てきてくれたら、家内安全を表すために出演してくれたのかもしれません。

縁起の良い初夢・縁起の悪い初夢とは?

一富士二鷹三茄子以外にも、実は縁起が良いというモチーフはたくさんあります。
一見怖い夢に見えても吉兆のことがあるので、恐れずにいましょう。

縁起の良い初夢

良い初夢:ヘビ

ヘビは、東洋・西洋どちらでも幸せを運ぶ神聖な生き物とされてきました。
特に白いヘビや金色のヘビは縁起が良く、幸運や金運がアップしていくというお告げを伝えてくれる夢と言えます。生身のヘビは苦手意識があるという方もいるかもしれませんが、夢に出てきたら初夢に限らず、普段の夢でも縁起が良い吉兆と見なすことができます。

一方で、黒いヘビ、獰猛なヘビに襲われるという初夢だった場合は、何かを警告しているとも言われています。

良い初夢:太る

ふくふくと太る夢を見ると、正月太りを暗示しているようで気持ちが沈んでしまうかもしれません。
しかし、自分が太る夢はネガティブな初夢ではなく、その1年が金運に恵まれるという縁起の良い初夢です。

さらにパートナーが太っていく夢を見た場合は、そのパートナーとの関係がさらに充実したものになるという暗示になります。

一見悪いことのようですが実は良い初夢には、もう一つ火事の夢もあります。
夢の中の火事は、破壊と再生の暗示であり心機一転や悪い状況に終止符が打たれることを意味しているようです。

良い初夢:宝船

宝船は、そのイメージ通り一攫千金など大きなチャンスの流れが来ていることを暗示する初夢です。
宝船を見るだけでも充分に縁起の良い初夢と言えますが、宝船に恵比寿、毘沙門天、弁財天といった七福神が乗っている場合は、さらに良い初夢でラッキーが訪れるとされています。

宝船はチャレンジ精神を大切にして飛躍の年にできるよう積極的にアクションを起こすことで良い結果が得られるという、背中を押してくれる初夢と言えるでしょう。

良い初夢:朝日・太陽

現実においても初日の出は拝めると縁起が良いとされますが、初夢で太陽を見るのも運気が上昇する兆しとされています。東洋・西洋を問わず、太陽は神として崇められ、神聖な力を持つと信じられてきました。
特に、一日の始まりに昇る朝日を見ると、自然と気分が高揚してくるのではないでしょうか?
朝日や太陽の初夢は、出逢いに恵まれる暗示であったり仕事運が高まる暗示であったりします。現実と初夢のダブルで初日の出を見られたらその1年をラッキーに過ごせそうですね。

縁起の悪い初夢

悪い初夢:追われる

追われる夢は、そのまま自身の状況を暗示している初夢と言われています。
例えばプレッシャーを感じていたり、逃げ出したい、自由になりたいと感じていたりする時に見る初夢です。
ただし、単に悪い夢というだけではありません。追跡しているものから無事に逃げ切れた時は、好転の兆しになるといった諸説があります。
もしも追いつかれて襲われたとしても、「夢で良かった」と前向きに考えることが大切です。

悪い初夢:歯が抜ける

歯が抜ける夢は、体から気力が抜け出る暗示とされ、悪い初夢と考えられています。
生命力を象徴するモチーフである歯が抜けると、近いうちに体調を崩すかもしれないと言われています。お正月は普段と生活リズムが異なるため、バイオリズムが乱れる方も少なくありません。
歯が抜ける初夢を見たら、より体調管理に気をつけるようにすると良いでしょう。

悪い初夢:笑う

吉兆と思われがちな「笑う」という行為ですが、初夢では仕事やプライベートで疲労がたまっているサインと見なされています。特に大きな声で笑う、大きな口を開けて笑うなど仕草が大きな夢は、疲労がそれだけ大きいことをあらわしているとされます。
不安や緊張を笑いでほぐそうとする初夢を見たら、新年からはリラックスできる趣味や時間を探すのも良いかもしれませんね。

縁起の悪い初夢を見たらどうするとよい?

見ると落ち込む悪い夢は、夢とは逆のことが起きる「逆夢」と見なす考え方もあります。
初夢で怖い夢や悪い夢を見たからといった落ち込みすぎず、「逆夢にしよう!」とポジティブにとらえるようにしましょう。
どうしても気になる場合は、バクの絵に食べてもらう、悪い夢の内容を紙に書いて川に流す、埋めるといったおまじないもあります。

まとめ

初夢は新年が明けてから初めて見る夢で、江戸時代から縁起の良い夢のランキングがつけられてきました。ポピュラーな一富士二鷹三茄子のほかにも、吉夢とされる初夢はたくさんあるので、眠るのが少し楽しみになりますね。元旦の夜に初夢を見られなくても、2日の夜に夢を見ればそれが初夢になります。
もし悪い夢を見ても考えすぎず、前向きに過ごしましょう。

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本コラムの監修