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黒豆は、「まめに暮らせるように」と願いを込められ、古くは邪気を払うともされた食べ物です。
おせち料理になくてはならない「祝い肴」のうちの一種ですが、関東と関西で煮方が異なるなど、地域によって違いがあるのも興味深いですね。
黒豆には「まめに暮らせるように」という願いが込められている
おせちに黒豆を入れるのは、今年も元気で丈夫に暮らせるように、という願いを込めるためです。
黒豆の「まめ」は健康、元気、丈夫という意味があります。
「まめに働く」、「まめに暮らす」という言葉もありますが、ここでいう「まめ」とは忠実であるという意味になります。
つまり、元気に働いて、誠実かつ真面目に暮らせるように、という願いが黒豆には込められているのです。
さらに、黒色は古来より邪気を払う色とされてきました。
そのため、黒色の食べ物を食べて悪いものから身を守るという意味も、黒豆には込められています。
おせちの中ではあまり目立たない存在の黒豆ですが、名前の語呂合わせと色のいわれという2つの重要な意味が隠されていると分かると、とてもありがたい存在に感じられますね。
おせち料理に最適な黒豆
黒豆は、常温で日持ちのする食材なので、数日間食すおせちにぴったりです。
黒豆はじっくりと煮ることで、砂糖と醤油がしっかりと豆にしみて、何日経ってもおいしく食べられる保存食になります。
台所仕事を休む正月三が日にふさわしい、おせちの代表的な料理と言えるでしょう。
地域で異なる黒豆の作り方
黒豆の煮方は、関東と関西で異なります。
関東では黒豆の表面にわざとしわが寄るように煮て、「しわが寄るまで元気に働けますように」という願う傾向にあります。
関西では、反対にしわが寄らないように煮て、「いつまでもしわが寄らないよう、元気で長生きできますように」と願いを込めます。
一般的に、しわの寄った豆はかためで、豆の風味がもっちりと凝縮して仕上がります。
しわが寄らないように煮た黒豆は、しっとりとふくよかで、やわらかい歯触りが特徴です。
黒豆はお住の何段目に詰める?
黒豆は、おせち料理の中では子孫繁栄、不老長寿、豊作を意味する「祝い肴」に分類されます。
地域や風習によって異なる場合もありますが、一般的に祝い肴はお重の一段目に詰めます。したがって、黒豆は一段目に詰めます。
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まとめ
黒豆は、「まめ」の語呂合わせとしてだけでなく、邪気を払う食べ物としておせち料理に詰められています。おすすめおせちにも、皆さんの長寿と健康を祈る黒豆が入っています。ぜひご賞味ください。
長寿のためにしわを寄せて煮る、健康のためにしわを寄せないように煮る、と関東・関西で捉え方が若干異なっていますが、皆さんはどちらの黒豆が親しみ深い味でしょうか。
今年は、お重の一段目に詰められた黒豆がどちらの煮方か、チェックしてみてください。
更新日:
2024年9月20日