赤ワインはまず、大きく2つの「味の軸」があります。
「酸味」と「渋み」です。
この2つの軸の好みがわかりさえすれば、自分がどんな赤ワインが好きなのか判断することができます。1杯目を飲んだ時に「これに比べて渋み(酸味)が強い(弱い)ワインが好き」とわかれば、自分好みのワインに近づくことができるんですね。
その基本となるのが、次の2つの「派閥」です。
① ブルゴーニュ系(=酸味が強い)
② ボルドー系(=渋み強い)
このどちらの味の傾向が好きか判断するのが、ファーストステップになります。
(ちなみにブルゴーニュやボルドーはいずれもフランスの地名です。本来はこの地で栽培された葡萄である事が条件になる呼び名ですが、味わいの傾向としてフランス以外で作られたワインであっても2つの系統に分類する事が出来ます。)
まず、ブルゴーニュ系。
ブルゴーニュ系にはとてもシンプルなルールがあって、「ブルゴーニュ」とラベルに書いてあるワインに使われているブドウの品種はピノ・ノワールだけ!なんと、ピノ・ノワール100%でなければ「ブルゴーニュ」と表記してはいけないという法律まであるんです。
ピノ・ノワールと言えば、酸味が特徴。一言で言うと、すっぱい。渋みはほとんどなく、舌に残らないスルスルとした軽さが気持ちいいワインです。
ワインの味はよく「ベリーのような」と表現されますが、ベリーと一口に言ってもカシスやいちご、黒スグリまでいろいろと種類がありますよね。そのなかでピノ・ノワールはワインの色も比較的明るく、ピンク系のベリーに近いでしょう。女の子的なイメージですね。
一方のボルドー系は、ピノ・ノワール100%じゃないと罰せられるブルゴーニュ系と違い、数多くの品種が使われます。代表選手はカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー。基本的にはいくつかの品種をブレンドしていて、これらの比率によって味が変わります。
ボルドー系のワインは渋みが強く、男性的で重たい味が特徴です。口に入れたとき、舌にずっしりと乗っかる感じですね。また、長期間熟成させる事が多いので、複雑な味のものが多くなります。ベリーに例えると、黒っぽいベリー。ワインの色も深めで、見るからに渋い雰囲気を漂わせています。
まずは、ブルゴーニュ系を飲んでみる。そして、「すっぱすぎる」「もう少しズッシリしたほうがいい」と感じたら、ボルドー系のほうが好きだと判断するわけですね。
ボトルの「形」を見れば味がわかる!
ブルゴーニュ系とボルドー系ではボトルの形も違います。
ブルゴーニュ系はなで肩、ボルドー系はいかり肩です。
ボルドー系がなぜいかり肩かと言うと、この肩の部分にワインを熟成させたときに出るオリ(渋みのもと)を引っかけ、グラスに入らないようにするため。ブルゴーニュのなで肩のボトルから注ぐと、そのままオリが流れ込んでしまうんですね。逆に、ブルゴーニュ系には、渋みのもととなるオリがそもそも多くありません。だから、なで肩でOKというわけです。