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今回ご登場いただくのは、大阪・黒門市場にある老舗漬物店の伊勢屋さん。中でも「水なす」は、私が最もはまってしまった逸品です。口当たりはしっとり、歯ごたえはしゃきしゃき。さっぱり感がなんともいえずたまりません。大阪の店舗には、ほかにも季節の移ろいを感じる旬のお漬け物たちが並んでいました。ぜひ、こちらにも足を運んでみてください。
にぎやかな大阪・黒門市場に、ずらりと並んだお漬け物。
今回ご紹介するのは、明治30年開業、創業100年を迎えた老舗の漬け物専門店「伊勢屋商店」です。
現在、店を切り盛りするのは５代目。創業当時から変わらぬ伝統製法で、機械化は行わず、職人が手作業で漬け込んでいます。ぬかと塩だけで漬けたシンプルなぬか漬をはじめ、季節ごとに旬の野菜を漬け込んだ浅漬は、素材の持つおいしさが引き立ち、そのおいしさに思わずはまってしまいます（かくいう私もすっかり「水なす」にはまってしまいました…）。
伊勢屋商店は、当日製造、当日販売が基本です。そのため、営業時間が終了に近づくと、売り切れとなる商品もちらほら。
「大阪の台所と呼ばれる黒門市場に店を構えているので、商売人の方々にも愛顧いただけるよう、明るくて丁寧な接客を心掛けています」とお店の方。
その元気な様子にひかれてか、お客さんが次々とお店を訪れていました。黒門市場にお立ち寄りの際は、ぜひお目当てを売り切れ前に買ってください！
伊勢屋のお漬け物は「手前漬」と呼ばれています。その意味は…？ 「手前勝手の手前・手前味噌。おいしい漬け物をつくりたいと5代に渡って研究してるんですわ」とのこと。
おすすめの水なすは、まさにその研究熱心さが生んだ賜物。2代目がうす塩に漬けて食べてみたことから始まり、今では季節を代表する人気商品になったそうです。
お店の方におすすめ商品を伺うと、春先から10月頃なら「水なす」。大阪泉州地方特産の水なすを、その時々の状況に応じて時間や温度を調整しながら漬け込むそうです。11月から冬場にかけては「千枚漬」と「紅かぶら浅漬」。千枚漬は聖護院かぶらを1枚1枚丁寧にスライスし、酢水でやわらげ、大判昆布で仕上げてます。また「紅かぶら浅漬」は色目も鮮やかに、塩分も抑えさっぱりとした味わいに仕上げた冬の定番商品です。
最近は健康志向も相まって、お漬け物が改めて注目されているそうです。「伝統保存食」から「旬の生鮮食品」へ。季節のおいしさをシンプルに味わう伊勢屋のお漬け物を、ぜひお試しください。
大阪黒門市場 伊勢屋商店（いせやしょうてん）
大阪市中央区日本橋2丁目3番4号